製作記
回転式電動ヤスリ機
企画・構想
彫刻刀の電動研ぎ器が欲しいの要望があった。どんなものか聞くと作った人がいて洗濯機のモータに丸い革ヤスリを取り付けて使っていると言う。早速、近くの資材館で円板型のヤスリを探すとともにモータを探した。革ヤスリはないが丸い紙ヤスリはある、モータも洗濯機のものはないが水中ポンプはある。ヤスリは聞いたものに比べて小さいし、モータは高速回転である。問題があるかなーと考えたが性格で”まっ、いいか”と検討を開始した。
これが長い道のりの始まりであった。
第1作目の失敗
水中ポンプは小型水槽の水を回遊させようと安価も手伝い買ったものだが全く吸い上げることは出来ず”安物買いの銭失い”を地でいったようなものだった。回転速度は早いが研ぐために包丁などを当てると回転が弱くなる。ここでも性格が災いし”何とかなるやろう”精神でどんどん進めた。モータ軸の径は紙ヤスリに比べて小さく、ベニヤ板を充て真ん中に穴を開けた。しかし真ん中に穴を開けるのは難しく芯ブレが起こるとともに高速回転であるため穴はだんだん大きくなり怖いぐらいの音が出てこれは危険と諦めることにした。諦める前にCDに穴を開けて充てた時はCDが割れた。親指を負傷した。
下段、一番左端が失敗作である。
モータの選択
高速に廻るモータは駄目。寝ても覚めてもは大袈裟だがモータ探しに入った。先ず某家電販売店に行き、”引き取った洗濯機のモータを頂くことは出来ないか、もちろん無償で”と問うと業者に任せていますからの冷たい言葉、そうだろう、そうだろう!
何かモータを使った安価な家電を購入・分解し、それを取る。う~ん、金がかかる~。
そうだ古い使用しない扇風機があるはず、聞いてみよう。自慢じゃないが女房は物持ちがいい。聞くと”結婚した頃に買った扇風機がある”。下段2番目がそのパッキンである。35年前の商品である。
扇風機解体に一苦労・制作
革ヤスリは近くの資材店にはなく知り合いから入手、よしと気合と共に扇風機バラシに着手。”うん?これはどないして組み立てた?”。何と言っても古い商品だ。今では考えられない組立方法だった。①羽部と操作部とを繋ぐ四角柱は操作部にくっついている(ビス留めではない)、②上のモータ及び首振角度決め機構からの配線は先ほどの四角柱を通してから操作部でハンダ付けをしている、すごい!ハンダゴテは25年ぶりぐらいに使った。
何だかんだのトラブルの末、出来たのが最上部の写真である。革ヤスリに油を沁み込ませ研磨剤(油砥石)を塗っている。
後述
真ん中にある2番目に大きな写真は革ヤスリを留め回転しているところである。扇風機のモータ部はベニヤ板を挟む形で留めている。
下段3番目の写真は革ヤスリにベニヤ板を貼ったものである。
最後の写真はテスト的に磨いた彫刻刀である。
モータ探し、円板型ヤスリの留め方そして扇風機のばらし方など今回は悩むことも多かった。おまけに右手親指の負傷に、削るときの手のマメなど・・・。
ただただ問題なく機械が動くことを願っている。