室生寺

興福寺 海住山寺 岩船寺 浄瑠璃寺

興福寺 猿沢の池から五重塔を望む

 40年前ぶりの室生寺を前回、書いたが更に古い記憶である。中学2年生での修学旅行以来の興福寺である。この年から3年生になった春に行っていた旅行が2年生秋に変更になったと覚えている。
 11月だったと思うが猿沢の池の畔の旅館に泊まったことと夜9時ごろに前の道で交通事故が起こったことは間違いない。ただ、雪だったと記憶していたが11月だったから雨だったのではないかと思う。また五重塔が見えていたかも定かではない。
 50年に近い時が過ぎたが塔はやはり美しく礼拝したくなる。


興福寺3.jpg三重塔から五重塔へ向かう
興福寺は薬師寺と並び法相宗の大本山である。建物も多く、拝観したい仏像も数多くある。国宝館、東金堂、北円堂そして南円堂などがある。今回は国宝館を拝観した。50年前の私のような修学旅行生も多く、おふざけ等で仏像が傷むことを恐れてか整理・監視している人も多かった。
 国宝の千手観音菩薩、十大弟子、天燈鬼・龍燈鬼と並び阿修羅像が眼に焼きつく。更には重要文化財の阿弥陀如来、薬師如来、梵天、帝釈天の各像も美しく見惚れてしまう。
 修羅場と言う言葉がある。これはインドの神であった阿修羅と帝釈天が争った場所から来ていると聞く。日本では特に痴情のもつれを指す場合が多いようだ。
 阿修羅像から去り難く、写真を購入した。初めてのことである。


興福寺2.jpg重塔
興福寺には三重塔と五重塔の2塔がある。五重塔の記憶があるが三重塔は全く覚えていない。三重、五重塔が存在するのは興福寺だけである。どちらも国宝である。五重塔は非常に高く50.1mある。55m近くある東寺の五重塔に次いで2番目の高さである。
 秋の特別公開が現在、11月25日までの予定で行われている。仮金堂が3年ぶりに開扉されていて大黒天、吉祥天像などが拝観できるようだ。


海住山寺


海住山寺1.jpg十一面観音菩薩像を祀る本堂
”この細い道を上るの?”疑いたく道を行くと海住山寺が現れる。写真の本堂の中、189cmの木造十一面観音立像そして四天王立像が祀られている。何れも重要文化財であるがどちらも美しく、見惚れる。この寺にはもう1つ、十一面観音立像がある。10月27日~11月11日の特別公開では五重塔開扉と共に拝観できるようだ


DSCF0853.jpg裳階付き五重塔
私の記憶では国宝の五重塔は9塔である。その中の1つがこの海住山寺の五重塔である。裳階付きの五重塔は同じく国宝指定の法隆寺と2塔である。高さが低く室生寺に次いで2番目に低い(17.1m)。


岩船寺


岩船寺1.jpg本堂
. 像高約3mの阿弥陀如来座像が祀られる本堂である。これを守るように須弥壇の四隅には持国天(東方)、増長天(南方)、広目天(西方)、多聞天(北方)の四天王像が立つ。
また外部には石室、十三重石塔仏そして五輪塔がある。何れも重要文化財である。


岩船寺2.jpg丑年生まれの守護仏”虚空蔵菩薩”
岩船寺の寺門を入って直ぐのところに生まれ年毎の守護仏が祀られている。まだ祀られて間がないようで新しい。守護仏、聞いたことはあったが覚えていなかった。因みに私の生まれた丑年は寅年とともに虚空蔵菩薩だった。虚空蔵菩薩は少ないような気がするがこれから礼拝する時に一段と頭が低くなりそうだ。


浄瑠璃寺


浄瑠璃寺1.jpg9体の阿弥陀如来像を安置する本堂
. ”九体阿弥陀如来”、是非とも礼拝したかった寺である。創建当初の本尊は薬師如来だったようである。この本堂は創建から60年後の1107年の建立とのことである。9体の阿弥陀如来像を安置するという発想は「九品往生」(くほんおうじょう)思想に由来し多くあったようだが現存するのは浄瑠璃寺だけである。


浄瑠璃寺2.jpg本堂から見た三重塔
創建時のご本尊薬師如来を安置する三重塔である。真ん中に位置する宝池を挟んで東方に位置する。薬師如来は仏国土の東方にある瑠璃光浄土の救主で現世の苦しみを除く仏である。阿弥陀如来は西方極楽浄土の教主である。薬師如来が現世での苦悩を救い西方で阿弥陀如来が迎えてくれることを表している。三重塔薬師如来礼拝から宝池を廻り九体阿弥陀如来を礼拝する、納得させられるとともに気持ちが穏やかになる寺である。


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2014-05-20

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