趣味2 読書-その2

趣味2:読書その3 池波正太郎の世界

池波正太郎作品への入り口

DSCF1291.jpg池波小説へ、のめり込むきっかけの作品は”真田太平記”だった。歴史小説は登場人物の最後がわかっていることもあり、読んだものは少ない。真田雪村の大阪夏の陣での奮闘ぶりは知ってはいた。が、最後は徳川軍に破れ去ると言う事実は曲げられない。そんな中、真田太平記を読み始めたのは関ヶ原の戦い時、徳川秀忠の軍を足止めし、関ヶ原の戦いに間に合わせなかったことの裏側に興味を惹かれたことと子供の頃からのあこがれである真田十勇士が頭にあったように思う。読み始めると歴史はどうでもよくなった。小説の組立の面白さ、そして1つ1つの場面の楽しさに心が満たされる。書き出しにある”死ぬる前に、女の身体、抱きとうはないかえ・・・”の女(後にわかるお江)の言葉が一気にこの小説を読ませた。2作目は仕掛人・藤枝梅安である。池波正太郎の殺し依頼の裏稼業作品は血なまぐささがなく爽やかささえも漂う。この中に出てくる依頼人の香具師の元締”羽沢の嘉兵衛”や”音羽の半右衛門”は他の短編小説にもよく登場する。半右衛門の女房の大女”おくら”などは眼に浮かび、楽しさが倍加する。本棚にあるこれらの小説の発行日を見ると1992年(平成4年)である。早20年と言うより、まだ20年の感である

池波正太郎記念館を訪ねて

DSCF1256.jpg写真のキャプションを入力します。 先週の10月4日に池波正太郎記念館に行った。写真2がそこである。池波 正太郎氏が亡くなったのは1990年(平成2年)の5月3日である。従って私が池波作品にどっぷりつかったのは亡くなってからと言うことになる。平成4年から2~3年は猛烈に読んだ。もう新刊が出ないの意識もあり片っ端から購入した。2冊同じ本を買ったことも2~3回ある。これを避けようと購入リストを作り持ち歩いたことを思い出す。記念館には池波作品に関する場所の説明、池波作品の年表更には池波氏の生涯などが説明されていた。執筆時期を見るとシリーズものでは”鬼平犯科帳”が1968年からと一番早く、”剣客商売”と“針仕事・藤枝梅安”が1973年から、”真田太平記”が1974年からとなっている。その他に短編を書いているのだから1968年から1990年にかけては作家として油の乗り切った時期だったのだろう。それだけ書きながら荒さがないことにすごさを感じる。

楽しさ

DSCF1290.jpg写真のキャプションを入力します。 池波作品は何が楽しいのだろうと時々、考える。前記したように物語としては勿論、そしてその一つ1つの場面の描写も楽しい。更には男同士での会話・向い合う時の緊張感、男女間の機微そしてもう1つ感心するのが物を食べる場面の描写である。シリーズもので先ず男女間について言えば、どの作品も女性の役割が何ともいい。真田太平記の”お江”、鬼平犯科帳の妻女”久枝”に”おまさ”、藤枝梅安の”おもん”そして剣客商売では”おはる”と”三冬”である。美女と言うこともなく、またそれぞれの女性のタイプも違う。だが何故かいい女に思えて来る。露骨な濡れ場は勿論ないが色んな想像をかき立てる。
 もう一つ、女性と並び何てことはないが、で言うと食事のシーンである。食事と言うほどのものの描写はなく出てくる食材も大したものではない。が、実に美味そうに思える。
現実の世界で蕎麦を食べる時、酒を飲まないといけない気になるのは作品からもらった病気である。

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