趣味2 読書

趣味2:読書その1

趣味の世界

小説との出会い

サラリーマン時代、毎年のように現況書のようなものを書かされた。その中にスポーツと趣味を書く欄があったのを覚えている。年々、内容は変わって行く。例えばスポーツ欄は最初の頃、バレーボールと書いていたがそのうちにゴルフと書くようになった。趣味で一貫していて変わらなかったものが読書である。小説が好きと言うより何でもよく読んだ、但し難しい本は身体が受け付けなかったか自然と除かれた。小説、雑誌からエロ小説、漫画まで・・・。

現代小説

DSCF0312.jpg屋根裏の本棚若かりし頃は純文学と呼べる本も好んで読んだ。内容はもうすっかり忘れたが古井 由吉氏の芥川賞を取った”沓子(ようこ)、有吉 佐和子さんの”たまゆら”などは面白かった記憶だけが残っている。
 ここ近年は、ぐっと砕けた本が多い。作家では奥田 英朗氏のファンである。ユーモアがあり楽しく読める。同氏は岐阜市の出身で直木賞作家である。その直木賞を受賞した”空中ブランコ”は絶品で登場人物である伊良部先生の姿が今も浮かぶ。その他にもマドンナ、ガールなどは好きである。
 奥田小説との出会いが忘れられない。50歳になった年の6月に網膜剥離になり1ヶ月近く、名古屋の市立病院に入院・手術した。この時に新聞に紹介が出ていて娘に頼んで買って来て貰って読んだのが”最悪”と言う小説である。やることなすこと悪い方へ働きどんどん深みにはまって行くような内容だったと思うが奥田氏の名前もまだ知らない中でのスタートだった。
 同氏のユーモアセンスからは離れられず当面、新刊を楽しみにするだろう。

時代小説

横.jpg寝室横の本棚30歳を過ぎたころから時代小説にハマって行った気がする。ハマった代表格は何と言っても池波 正太郎氏と藤沢 周平氏であるがこれは後年で40歳過ぎた頃からと思う。これらは次回に譲るとして最初の頃の話である。長編作品では山岡 荘八氏の”徳川 家康”と吉川 英治氏の”宮本 武蔵”である。
 ”徳川 家康”の本も出会いを覚えている。初めての海外出張でスイスとまだ壁のあったベルリンへ行った時、読み物として携えて行った本である。3週間と少しの海外だったが単行本3冊では足りなかった。その続きが読みたくて全26巻は1年以内に購入した。
 写真は引っ越した時、どうしても捨てられず持ってきた本群である。沓子、たまゆらは無いが徳川 家康、宮本 武蔵は黄ばみながらまだ残っている。ちなみにそれぞれの最終巻、徳川家康の26巻目は昭和56年(1981年)、宮本武蔵の8巻目は昭和62年(1987年)に発売されていた。

 小説の楽しさは読んでいるうちに情景が浮かび、その中にはまり込んで行くことから始まるように思う。そして登場人物の心情描写が自分の感性とピッタリハマる時、大きく頷くことを通り越し身体を震わせたくなるぐらいの気持ちになる。
”泣ける”、”笑える”、”感激する”、文字も映像と同じ感覚を味わえる。
 描写がと言うことで最もよくわかるのがエロ小説ではないかと思う。”情景の浮かばないエロ小説なんてワサビの入っていない寿司”みたいなものだ”と江戸っ子は言うのかなー。

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