観心寺・葛井寺・道明寺
楠木正成公の菩提寺 観心寺
仕事の一線を退いてからバス旅行が増えた。平日に出掛けられることが大きな理由である。今回は”大阪の秘仏 4ヶ所同時御開帳”と銘打ったバス旅行に行って来た。行き先は河内長野市・藤井寺市などである。
上の写真は観心寺の駐車場近くにある楠木正成公の銅像である。楠木正成は鎌倉時代末期から南北朝時代に活躍した人物である。足利尊氏らと共に活躍したが、尊氏の反抗後は南朝側の軍として、湊川の戦いで尊氏の軍に破れて1336年、討死したと伝えられている。
写真は楠木正成の首塚である。足利尊氏の命令で観心寺に送り届けられ祀られたようだ。観心寺は寺の伝承では701年、役小角(えんのおずか)によって開かれ、初めは雲心寺と呼ばれていたようだ。その後、空海によって衆生の除厄のための如意輪観音菩薩が刻まれた時に観心寺と改称されたようだ。815年のことである。
本尊如意輪観音菩薩像は国宝で秘仏である。毎年4月17日と今日18日の2日間のみ開扉される。坐像で108.8cmである。保存が良く、彩色が残っていて感動する。
写真は建掛塔(たてかけのとう)と呼ばれている建物である(重要文化財)。楠木正成が三重塔を造営し始めたが湊川で討死したため1重目だけで中断した。これに屋根だけを付けたものであるようだ。
総数1039本ある千手観音像の葛井寺
西国三十三ヶ所の五番札所に数えられる葛井寺である。昨年の春にも西国三十三ヶ所霊場参りで参拝した。国宝千手観音像は秘仏だが毎月18日に厨子が開扉され拝観できる。千手観音は坐像で像高1.5mの半丈六の脱活乾漆造り(だっかつかんしつづくり)である。大手38本に小手が右500本、左手501本の1001本ある。合掌手を除く大小の脇手は像の背後にある支柱2本に打ち付けられているが正面から見ると本体にあるように見える。
葛井寺は藤でも有名な寺である。毎年、4月終わりから5月初旬にかけて藤まつりが開催されている。4月18日では少し早かったが開花し始めていた。写真はピンク色の花房が下がる藤である。珍しい色合いである。他に紫、白色などが境内いっぱいに広がっている。